おいしい料理を囲んで笑顔になれる店をめざしています
JR星置駅から歩いて5分程の住宅街にある「trattoria ottimo(トラットリア オッティモ)」は、イタリアのトスカーナ州の伝統的な料理を出すレストラン。店主の深見大介さんは、東京のイタリアンレストランで働いた後、イタリアで1年ほど料理を学びました。自らの店を始めるにあたり、北海道の食材を使ってトスカーナ料理を出したいと、家族と共に故郷に戻ってきました。
「オッティモとは、イタリア語で『とてもおいしい』という意味で、おいしいものを食べると自然に笑顔になりますよね。イタリアではクリスマスなどには、家族や親戚が集まって「賑やかに過ごしています。僕の料理を囲んで、そんな心温まる時間を過ごしていただけたらと思っています。かしこまった店ではないので、お子様連れの方にも気軽に利用していただいています」と話します。
店の奥には靴を脱いで上がるテーブル席が1つあり、ちょっとしたキッズスペースが用意されています。
素材の魅力を生かすのがトスカーナ料理
「僕が働いていたのはフィレンツェで、トスカーナ州でも山の中になるため、肉料理が中心でした。トスカーナの料理は、肉は焼く、野菜もオーブンで焼いたり、オリーブオイルやビネガーをかけたサラダといった、シンプルなものがほとんどです。そのため、素材の良さが味の決め手になり、食材に力がないとだめなのです」。
使用する食材を吟味していた時に出合ったのが、中標津町の「ピックファーム大山」が生産する「なかしべつミルキーポーク」。「自家製のハムを作りたかったので、骨付きの状態で半頭飼いができる豚肉を探していました。要望にかなったのがこの肉で、味も良い。肉質も柔らか過ぎず硬すぎず、ほど良い加減ですし、脂はさっぱりした中に甘味が感じられます。「脂がおいしい」とお客さまにも好評です」。
トスカーナ料理の真骨頂ともいえるのが「骨付きロース オーブン焼き」。塩は手でまぶしながら加減を調整するそうで、イタリアのお母さんはこの感覚が体に染み付いているのだそう。「肉は骨から焼いていきます。脂は外側と内側で色が違うでしょう。外側は濃厚でクドさにもつながるので、これを落とすようにして焼いてからオーブンに入れます」。
上質な豚肉はモツもおいしい
「骨付きロース オーブン焼き」は、これぞ豚肉といった迫力です。脂と肉のうまみが口の中でひとつになり、脂も肉の一部分なのだと感じさせてくれます。ハーブの香りがあることで、さっぱりとした口当たりになっています。肉料理に合わせて、好きな野菜料理を選ぶのがトスカーナ流とのこと。そうすることで、野菜もたっぷりとれるのでしょう。
「なかしべつミルキーポークは、内臓も甘味があっておいしいです。くさみもないので、レバーを使ったパテやソーセージは、レバーが苦手な方も食べられると言ってくださいます」。煮込んだモツ(内臓)をパンにのせた「大山ミルキーポーク モツのブルスケッタ」は、モツをしっかりと茹でこぼすことで、ぬめりやアクを取るのがポイント。確かにくさみが感じられず、身も柔らか。ニンジン、タマネギ、セロリ、ニンニク、ハーブを使ったスパイシーな味付けは、ワインのおともにもピッタリ。
「せっかくなら、自分で出来ることはやりたい」とも言うように、深見さんはパンも手作り。豚肉は月に1度仕入れ、自ら肉をさばいてハムやソーセージを作り、モツ煮を仕込みます。場合によっては、肉が品切れしていることもありますので、お店に行く際はあらかじめご確認ください。
trattoria ottimo(トラットリア オッティモ)
札幌市手稲区星置2条4丁目1-28
メイユールミナミ 1階
TEL:011-699-6067
11:00~15:00 17:00~22:00
火曜休
Pork Information
「ピックファーム大山」が生産する「なかしべつミルキーポーク」は、エサに粉状にしたホエー(チーズを製造する際に残る水分)をたっぷり与えています。母豚はストレスを与えないよう、エサを与えた後は牧草地に放牧し、爽やかな空気の元でリフレッシュ。出荷用の豚も1頭1頭に目配りをして健康管理を徹底しています。元気に育った豚はクセがなく、脂のうまみに加え、肉の本来のうまみも味わえます。
※この記事は2021年3月現在のものです