自分たちが育てた豚肉の美味しさを知ってほしい
国道230号線沿いの「道の駅230ルスツ」へ入ると、向かって左側に「豚汁」や「ヒレカツサンド」「ロースカツサンド」と書かれたのぼりが見えます。奥にある平屋の建物が、「ルスツ羊蹄ファーム」が運営する「ルスツ羊蹄ぶた『道の駅230ルスツ店』。
「自分たちが毎日、丹精込めて育てている豚肉の美味しさを知ってもらいたい。そのためには、まずは食べていただかなくてはと思い始めた店です。人手の問題もあり、テイクアウトのみですが、道の駅のイートインスペースをご利用いただけます」と話すのは、マーケティング部マネージャーの西澤園子さん。
メニューは、「ヒレカツサンド」「ロースカツサンド」「豚汁」「ヒレカツカレー」「ロースカツカレー」「カツ丼」など。生産者の店なので、肉をたっぷり使うのが基本。人気の「ヒレカツサンド」は、大きなヒレカツを2枚重ね、軽く焼いたパンではさんだボリュームいっぱいのサンドイッチです。肉は150gほどあり、2切れ食べるとかなりお腹が満たされます。デミグラスソースを塗っているのもポイント。とんかつソースは、ソースの味の印象が強くなってしまいがちなので、肉の味を堪能できるよう甘さを控えたデミグラスソースにしています。
すっきりとした中にもうま味のある肉は、1度食べるとファンになるようで、「お腹を空かせた部活帰りの高校生が、千円札を握りしめて買いに来てくれたりすると元気をもらえます」と西澤さん。
肉は残すことなく、有効活用しています
西澤さんは、この店を始めるまでは豚舎で豚の世話をしていたそうで、「うちの豚は、とにかく元気です。豚が快適に過ごせるよう毎日の清掃や管理を徹底していますし、みんなが優しく接しています。その甲斐あって、薬の使用量がとても少ないのです。勉強のためいろいろな豚肉を食べたりしますが、やっぱりうちの肉が一番美味しい。ひいき目かもしれませんけれどね(笑)。何より、どんなふうに育てているかは身を持って分かっているから、自信を持ってお客様に提供できます」。
料理にはブロック肉をカットして使っているので、“掃除”が必要になります。“掃除”とは、肉の周りについている余分な脂身や筋などを取り除く作業で、取り除いたものを有効活用しているのが「豚汁」と「カレー」。「結構な量になってしまうので、もったいない。そのため、豚汁とカレーの出汁を取るのに使っています」。
出汁は冷ましておくと、プルプルのゼラチンになっているそうで、コラーゲンもたっぷり。豚肉の脂は、善玉コレステロールを上昇させるオレイン酸が豊富なので、美容と健康にうれしい美味しさが隠し味になっているようです。
肉の直売も始めたので、ドライブ途中の買い物にもお勧め
豚汁には、豚肉はもちろん、大根、人参、コンニャク、ごぼう、さといも、玉ねぎ、長ねぎ、揚げと具だくさん。あっさりとした味付けなので飽きることなく、ごくごく汁を飲んでしまいます。カレーのルーは、一口目はまろやかな印象なのですが、食べているうちにじんわりと辛味が広がり、中辛と書いてあることに納得。いかにもコラーゲンたっぷりという感じのとろりとした舌触りで、豚肉がふんだんに使われているのが伝わってきます。
「最近は、家庭でも肉を食べたいので直売してもらえないのと言う声が増えてきて、真空パック(冷凍)でバラ肉やロース、肩ロースのスライス、スペアリブなどの販売を始めました」。テイクアウトや精肉の販売を通じて、消費者の声をじかに聞くことができ、やりがいにつながっているようです。
ちなみに、店舗の横から続く小道は遊歩道になっていて、途中の東屋でテイクアウトしたものを食べることもできます。遊歩道を歩いた先には公園があり、近くにはパークゴルフ場とドッグランもあります。ドライブの途中で立ち寄ったり、レジャースポットとして訪れるのもお勧めですよ。
Pork Information
ルスツ羊蹄ぶた
羊蹄山麓の緑に囲まれた中にある「ルスツ羊蹄ファーム」で生産しているのが、「ルスツ羊蹄ぶた」。農場HACCPとJGAPの認証を受けた農場管理のもと、徹底した衛生管理で安全性の高い養豚を目指しています。“豚にやさしいが、人にやさしい肉を作る”をモットーに、清らかな水をたっぷりと飲ませ、元気な豚を育てています。小麦や植物性の飼料を与えることで、臭みが少ないすっきりとした肉質になっています。ソーセージやベーコンなどの加工品の製造も手がけています。
ルスツ羊蹄ぶた 道の駅230ルスツ店
虻田郡留寿都村127番地 道の駅230ルスツ内
TEL:0136-55-7977
10:00~17:00
月曜休
※この記事は2022年3月現在のものです