銀の舞〈札幌市北区〉

Let’s Eat 北海道ポーク!
<オススメの一品>「銀の舞豚丼(醤油ベース)MIX」950円(税込)
ランチタイム(11:30~14:00)は、小鉢とみそ汁、漬物付きで980円(税込)

「樽前湧水豚」を使った、豚丼の専門店です

西野屯田通りに面した「銀の舞」。柱に並ぶ、赤地に白抜きの文字で書かれた店名が目を引きます。炭火で焼く豚丼の専門店で、しょうゆ味の「銀の舞豚丼」、塩味の「葱塩豚丼」、みそ味の「極み味噌豚丼」の3種類あり、豚肉はバラ肉とロースが選べ、両方食べられるミックスもあります。

店主の佐藤眞吾さんは、以前、円山裏参道(札幌市中央区)にあったイタリアンレストラン「農家の息子」で、シェフとして立ち上げ時から腕を振るっていました。その店が東京や大阪で開催される北海道物産展に出展する際に作った商品が「豚丼」。これが大好評で、豚丼の専門店を出すことになりました。

「この豚丼は自分が考えたレシピで、自分にしか作れなかったものです」と佐藤さん。使用しているのは「樽前湧水豚」。「おいしい肉を食卓に届けたいという思いから、生産者がいかに手をかけて育てているかを知っているので、それに応えるものを作りたいと思っています」とも話します。

必要以上に火を入れないことで、うまみを引き出しています

炭火で焼くのは佐藤さんのこだわりで、店舗を探す際には炭火が使えることを条件に探したそうです。網に並べた肉には、だし入りの水を吹きかけてから焼いていきます。

「肉のうまみを引き出すよう、肉は薄めで、必要以上に火を入れないのがうちのやり方です。肉が厚いと焼き時間がかかり、身がパサついてしまうので、うちでは4㎜にしています。片面を焼いた後、裏返した面は炭火から出る水蒸気で蒸し焼きにするイメージで、サッと炙ります。この焼き方ができるのは、徹底した衛生管理のもとで育った『樽前湧水豚』だからです」。

「銀の舞」の豚丼を堪能するには、原点といえる醤油ベースの豚丼がお薦め。肉を食べると、しっとりとした舌ざわりで、じんわりとうまみが染み出してきます。バラ肉は脂のコクが感じられ、ロース肉は肉汁たっぷりでジューシーな印象。薄めに切っているので物足りないのではないかと思いきや、噛むごとに炭の香りをまとったタレと肉汁が口の中いっぱいに広がり、満足感があります。一口で食べられる肉のサイズ感も絶妙で、甘さを抑えたしょうゆダレはすっきりとした後味。タレにはバルサミコを入れているそうで、イタリアン出身の佐藤さんならではの隠し味と言えます。

豚丼を通じて、「樽前湧水豚」のおいしさを伝えたい

「縁あって出合った『樽前湧水豚』は、僕にとっては唯一無二の豚で、その味に惚れ込んでいます。ですから、豚丼を食べてくださったお客さんが『おいしい』と思ってくださるのが一番で、それが僕の仕事。豚丼を通して、この豚の魅力も伝えられるといいですね」。

ちなみに、北海道物産展に出品した際の豚丼には、マヨネーズをかけていました。豚丼用に作った自家製マヨネーズは、酸味を抑えているのでくどさを感じずに食べられます。「元祖 銀の舞豚丼」として期間限定で出したところ好評で、今では定番メニューに。

開店当時はしょうゆ味のみでしたが、お客さんを飽きさせないよう味のバリエーションを増やしたように、〆のお茶漬けを用意しているのも佐藤さんの心配りなのでしょう。肉とごはんを少し残した丼にだしを注いで食べると、口の中がスッキリ。肉の余韻を残しておくか、スッキリさせるか。どちらがお好みか、まずはお試しあれ。

銀の舞

札幌市北区新琴似7条14丁目6-24
清水目ビル1階
TEL:011-788-4847
11:30~15:00 17:00~20:00
月曜・第2火曜休 ※祝日の場合は営業し、翌日休み

Pork Information

樽前山の裾野にある「ビィクトリーポーク」樽前農場。ここで生産される「樽前湧水豚」は、ケンボローという品種の豚で、良質な豚肉を生産する品種を厳選して交配させたハイブリット豚です。HACCPによる徹底した衛生管理のもと、豚にストレスを与えない環境づくりを通じて疾病の予防にも努めています。ミネラルたっぷりの樽前山からの伏流地下水を飲んだ豚は、脂肪のきめが細かく滑らかでやわらかな食感です。

※この記事は2021年3月現在のものです