
前菜2皿、パスタ2種類、肉料理、デザート、コーヒーor紅茶のコース。この日のパスタは「ジャガイモのニョッキ」と「パスタピチ ズワイ蟹入りブロッコリーソース(+100円)」。写真のほかに、前菜(サラダ)とデザート、ドリンクが付きます。
旭川家具を使った北欧風のインテリアは、癒しの空間
「旭川医療センター」に近い、黄色い壁のビル内にある「bilancia」。入口前の看板を頼りに2階に行くと店に到着。中に入るとカウンター席のほかに、2つのレストランスペースがあります。ゆったりとテーブルが置かれ、ソファ席まで用意されています。
メニューは、ランチもディナーもコーススタイルになります。ランチは、前菜とパスタ、食後のドリンクがセットになった「Pranzo – A」(プランゾはイタリア語で昼食の意)が基本で、「Pranzo -B」にはデザートが、「Pranzo -C」には肉料理(豚肉のロースト)がプラスされます。BコースとCコースは2名以上での利用になり、本日のパスタから2種類選び、あらかじめシェアして提供してくれます。「ランチタイムは女性グループでのご利用が多く、みなさんパスタをシェアしているので、最初から取り分けてお出しした方がきれいで食べやすいだろうと思ってこのスタイルにしています」と、オーナーシェフの鈴木一徳さん。
お店で使用している椅子やテーブルは旭川産の家具。ナチュラルな北欧風のインテリアが優しい雰囲気を醸し出しています。「ゆっくりされたい方には、食後にソファ席に移動していただいています。そうすると時間を気にせずくつろいでいただけますので」と、さりげないサービスに癒されます。



生産者を知ることで、料理の考え方が変化
鈴木さんは、以前は銀座のホテルのレストランに勤務していましたが、旭川でレストランを立ち上げることになり、手伝いで北海道に。北海道が気に入り、そのまま残って自らの店を始めました。
「東京にいた時は、築地の市場に行けばどんな食材でも手に入りました。北海道のジャガイモがなくても違う産地のものがありましたし、誰が作っているかまでは考えませんでした。自分の店を始めるにあたり、地元の生産者から食材を仕入れるようにしたところ、トマトひとつでも気象条件や時期によって味に変化があるという当たり前のことに気づきました。豚肉も同様で、筋肉質の豚もいるし、脂ののりの良い豚もいます。以前は、こういう料理を作りたいので、そのための食材をそろえていましたが、今はこういう食材があるからこういう料理にしようというふうに考え方が変わってきました。開店前や休日に当麻町や鷹栖町、美瑛町などの農家さんのところに買いに行っています。鮮度が良いですし、コスト的にもメリットがあります」。
豚肉は、当麻町の養豚家「イートン」が生産する「旭山ポーク」を使用しています。「地元にこういう豚肉があるよ」と、お客さんが紹介してくれたのがきっかけで食べたところ、味の違いを実感したそうです。「きめが細やかですし、肉そのものにコクがあると感じた」と話します。コース料理で提供される肉料理は、豚肉のローストが基本で、ロース肉をフライパンで焼き目を付けてからオーブンに入れます。肉の状態を見ながら、何度もひっくり返して丁寧に火を入れていきます。



パスタメニューも豊富で、丁寧にローストされた豚肉は贅沢な気分に
豚肉を味わうには「Pranzo -C」を。パスタは、その日のメニューから2種類を選べるのですが、スパゲティやペンネ、ニョッキのほかに、手打ちキッタラやパスタピチという聞き慣れないものも。キッタラとピッチ、ニョッキは手作りしており、キッタラはギターの弦のような機械で切る断面が四角い麺。ピッチはうどんのような太麺で1本ずつ手で伸ばすのだそう。
悩んだ末に「ジャガイモのニョッキ」と「パスタピチ ズワイ蟹入りブロッコリーソース」をセレクト。「ジャガイモのニョッキ」は、濃厚なゴルゴンゾーラの香りが口の中に広がり、胡桃の歯ざわりがポイントに。ブロッコリーソースを使ったパスタピチは、くたくたに煮込んだブロッコリーの食感が新鮮。緑色のソースは目にも鮮やかです。
メインの豚肉は、焼き野菜と一緒に肉の断面が見えるように盛り付けられています。一口大にカットしてほおばると、肉の歯ごたえが感じられ、噛むほどに脂と混ざり合い甘味が増してきます。デザートやコーヒーをいだきながらの食後の余韻は、至福のひと時。日頃の疲れを癒してくれます。満席の場合もありますので、お店に行く際はあらかじめ電話でご確認ください。


Pork Information
旭山ポーク
当麻町の生産者「イートン」では、豚肉の美味しさは、豚が健康であることと考えています。クリーンな環境で、無理な負担をかけることなく育てられた「旭山ポーク」は、脂身と赤身のバランスが良く、くせのない味わいです。自ら配合する飼料は、エネルギーの基本となるトウモロコシとタンパク源となる大豆をメインにミネラルを添加しています。優しさを持って育てられた豚は素直に育ち、豚肉本来の美味しさが引き出されています。
Bilancia(ビランチャ)
旭川市花咲町6丁目きりんビル2F
TEL:0166-73-7709
11:30〜14:30、18:00〜22:00、水曜定休


※営業時間や定休日が変更になる場合がありますので、あらかじめご確認をお願いいたします。
※この記事は2025年4月現在のものです